経営者の智恵袋

2.「眼鏡市場」業態への転換による高収益化

同社の売上高は、2001年8月期の200億円から毎期増収(2004年3月期は決算月変更に伴う変則決算期)を達成して、2007年3月期には335億円に至っている。6年間で毎期平均9%程度の成長を遂げたことになる。 一方、経常利益、経常利益率ともに、2006年3月期までは年々低下。2001年8月期の経常利益は19億円、経常利益率は9.6%であったが、 2006年3月期には経常利益は4億円強、経常利益率は1.5%にまで落ち込んでいた。しかし、2007年3月期には経常利益23億円、経常利益率 6.9%を達成するに至った。

2007年3月期の高収益の実現には、不採算店舗の閉鎖、経費見直し等のリストラ効果に加え、その後の利益成長の原動力となる「眼鏡市場」業態の確立がある。「眼鏡市場」は、眼鏡一式18,900円というオールインワン・プライス、20種類の高品位レンズから追加料金なく選択可能、25分仕上げといった点を顧客訴求ポイントにした眼鏡小売業態である。
当時の同社の主力業態である「メガネトップ」も含め、従来の眼鏡小売店は、例えば価格18,000円程度の眼鏡であっても、薄型非球面、遠視用といった高品位レンズを選ぶと、結果的に25,000円ぐらい、場合によっては30,000円ぐらいになることもあったという。「眼鏡市場」は、高品位レンズを選ぶと価格が高くなるという常識を打破し、どんなレンズを選んでも、一式18,900円のワンプライスを実現した。いわば従来の収益モデルを自己否定した本業の革新が「眼鏡市場」という業態として実を結ぶことになったといえる。
「眼鏡市場」の最初の出店は、2007年3月期のちょうど期中にあたる2006年10月である。静岡県浜松市に新店候補地があったことから、既存店13店舗の業態変更も含め同市にて14店舗でスタートした。
その結果、「眼鏡市場」店舗は既存のメガネトップ店舗を大きく上回る売上を実現したことから、以降、新規店の出店は「眼鏡市場」で、また既存店の業態転換を積極的に進めるに至っている。2007年に入ってからは、毎月30~60店の既存店を「眼鏡市場」業態に変更。現在では、それまでの主力業態であった「メガネトップ」店舗からの業態転換をほぼ終えて、企業としての高収益化ひいては企業価値向上を実現している。

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