経営者の智恵袋

5.まとめ

「クリエイティブ・クラス」という概念は、フロリダ教授の専門分野により都市論の背景も強く、企業の経営者としてそのまま受け入れやすいものとは限らない。そこで、前節では、異なるビジネスモデルや事業環境を超えて、様々な企業にとり「クリエイティブ・クラス」という概念が持つ共通の意味について、弊社なり考察してみた次第である。
その結果として感じていることは、「クリエイティブ・クラス」を惹きつけ、育て、放さない、という競争が行われているという点では、国家間あるいは都市間の競争も、企業間の競争も極めて似ているということと、その一方で、国家間あるいは都市間の競争の結果の優劣は、各国家や各都市に所在する企業間の競争に対して、外部環境として大きな影響を与え得るということだ。後者について端的に言うと、「クリエイティブ・クラス」をめぐる競争に敗れた国家や都市に所在する企業は、「クリエイティブ・クラス」の獲得・維持には大変苦労する可能性が高い。そのような企業にとっては、「クリエイティブ・クラス」を社内で育てることが、一層重要になるだろう。
本稿が、従業員の能力を最大限に引き出すことの重要性や、その方法について改めてお考えになることの一助となれば幸いである。

6.参考文献

  • *1
    「クリエイティブ・クラスの世紀」 リチャード・フロリダ (ダイヤモンド社)
  • *2
    「クリエイティブ・クラス」とは何か」 (「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」 2007年5月号のインタビュー記事) (ダイヤモンド社)
  • *3
    「隠れた人材価値 高業績を続ける組織の秘密」 チャールズ・オライリー、ジェフリー・フェファー (翔泳社)
  • *4
    「SAS、米フォーチュン誌「最も働きがいのある会社ベスト100」に10年連続ランクイン」 日本支社によるプレスリリース (2007年1月22日)
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