経営者の智恵袋

4.まとめ

日本人のメンタリティを考えると、欧米との比較では、A&Dの考え方が相対的に定着しにくいという砂川助教授の見方は妥当であろう。一方、 M&Aそのものは、日本でも企業の成長戦略実現の一手法として、ごく普通のことになっている。これら2つのことをあわせて考えると、日本では、少なくとも当面は、敵対的買収のように買収側の一方的な論理で進められるようなM&Aは多発せず、引き続き当事者間の合意に基づく友好的な M&Aが一般的であり続け、その件数は増加傾向となることが予想される。 但し、友好的なM&Aであっても、円滑な一体化に向けた事前・事後の手当ての重要性や難しさに変わりはない。特に、従業員のモチベーションを維持し、コア人材の流出といった問題が起きないようにすることが、M&A成功の要件となる。本稿に記載したA&Rの考え方は、1つのヒントになるだろう。

5.参考文献

  • *1
    「経済教室 王子製紙の北越製紙株TOB 「A&D」時代到来告げる」 砂川伸幸 (日本経済新聞2006年8月11日朝刊)
  • *2
    「M&A、10兆円超に拡大」 (日本経済新聞2006年8月11日朝刊)
  • *3
    株式会社レコフのホームページ http://www.recof.co.jp/
  • *4
    「強さの研究 シスコシステムズ」 (日経ビジネス2005年10月17日号)
  • *5
    「シスコ・システムズ -超成長企業の戦略-」 (慶応義塾大学ビジネス・スクール ケース 1999年8月)
  • *6
    「E-コマースで世界を制覇 シスコ」 デービッド・スタウファー (三修社)
  • *7
    「シスコの真実」 ジェフリー・S・ヤング (日経BP社)
  • *8
    「成長を創造する経営 シスコシステムズ-爆発的成長力の秘密」 本荘・校條 (ダイヤモンド社)
  • *9
    「A&R 優秀人材の囲い込み戦略」 ウイリアム・マーサー社 (東洋経済新報社)
  • 1 / 2 / 3

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