
ビジネスの世界において、「80対20の法則」(パレートの法則)または「2:8(ニッパチ)の法則」は、今日では極めて一般的な経験則として認識されている。つまり;
といったものである。
一方で「ロングテール」(“The Long Tail”=長い尻尾)は、この経験則とは相対する考え方で、ネットビジネス等では、従来の常識では切り捨てていた80%の商品や顧客からも、インターネット等を有効に活用し追加的なマーケティングコストをほぼゼロに抑えることで、大きな売上や利益を得ることが可能になってきたという観察に基づき提唱された概念である。この「ロングテール」の説明においては、下図のような概念図が示される。このグラフの全体像は恐竜の形に似ており、右部分を恐竜の長い尻尾に見立てて「ロングテール」と呼んでいる(対して、左部分は「恐竜の首」と呼ばれることがある)。
なお「ロングテール」についてより深い知識を得るためには、以下の図書が参考になると思われる。
-梅田望夫著「ウェブ進化論」(ちくま新書)
-菅谷義博著「80対20の法則を覆すロングテールの法則」(東洋経済新報社)
企業経営において、「ロングテール」は具体的にどのような意味を持っているのであろうか。まず指摘したいことは、「ロングテール」現象は、ネットビジネスだけに見られるものではなく、従来から存在するリアルビジネスにおいても観察でき、これを企業の競合優位性や差別化要素として活用している例が存在するということである。
大手書店チェーンであるバーンズ・アンド・ノーブルの在庫が13万タイトルであるのに対し、ネット書店のアマゾン・ドット・コムの在庫は約230万タイトルであり、売上ランキングの上位13万位以降の書籍での売上が、全体売上の25~30%を占めていると言われている。
音楽ネット配信のiチューンズ・ミュージックストア(アップル)では、100万タイトル超の楽曲の中で、1度もダウンロードされたことのない曲はないと言われている。逆に見ると、1度しかダウンロードされないような楽曲でも取り揃えることにより、あらゆる嗜好性を持った潜在顧客を当サイトで捕捉しているとも考えられる。
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